LEDについて学びたいことがある方を対象にしています。
この記事を読み終わると、LEDに関する知識が身に付きます。
LEDの寿命
まずLEDの寿命について説明します。
LED寿命は、明るさが初期の70%までと定義されています。70%以上の明るさが40000時間(連続使用で約4年半)継続するように設計されています。
4年半経過するとすぐに切れて点灯しなくなる、という意味ではなく70%未満になると本来の性能が失われてしまうので寿命と定義されています。
LEDは再利用できます。
寿命が過ぎたLEDは、まったく使えなくなってしまうわけではありません。
明るさが少なくてもよい場所に交換するなど、再利用することが可能です。
LEDが省エネの理由
LEDが省エネであることは、広く知られていると思いますが、その理由をきちんと説明できる人は少ないと思います。
ネットで調べましたが、難しすぎてよくわかりません
2020年現在、正しく書かれている記事がとても少ない状態です。
Wikipediaにも十分な説明がありませんでした↓
LEDが省エネな理由はまだあまり知られていないようなので、今回その理由を詳しく解説していきたいと思います。
LEDの明るさの単位
まずLEDの明るさの単位に注目してください
LEDの明るさの単位は「ルーメン」ですね。このルーメンに省エネの秘密があります。
wikipediaでは定義しか説明されていてません↓
ルーメンの意味が一般的になるまでまだまだ時間がかかりそうです。
これから「ルーメン」の意味を理解するために、関連する用語を1つずつ詳しく説明していきます。
白熱電球の単位
これまでの白熱電球の単位はワット(W)が使われていました。
このワット(W)は電力のことで、白熱電球は電気をたくさん流せば流すほど明るくなるという特徴があることから使われるようになりました。
しかし、LEDが登場してから白熱電球と同じ単位(ワット W)で比較できなくなりました。
その理由は、LEDと白熱電球では電力使用量が大きく異なるからです。
同じ明るさの場合、もちろんLEDの方が電力が低くなります。
簡単に言うと、LEDは小さい電力で明るくなるので、ワットでは逆転してしまうからです。
例えば、LEDは20Wと白熱電球の100Wが同じ明るさになった場合、ワット(W)を見てどっちが明るいか判断することができなくなります。
なぜ明るさが異なるのでしょうか?
それは、人間の目に秘密があります
色によって明るさが異なって見える!
人間の目は色によって、明るさが違って見えます。
言い換えれば同じ電力の場合、色によって明るさの強度が異なって見えるということです。
色は電波の一種
色は電波の一種で、波長の長さによって色味が変化していきます。
覚えなくて良いですが、人間の目で見える波長を可視光線といい、波長は約400-800nmのことをいいます。
nm=ナノメートルと読みます。(ミクロンの次に小さい単位です。)
色 波長 エネルギー 紫 380-450 nm 2.755-3.26 eV 青 450-495 nm 2.50-2.755 eV 緑 495-570 nm 2.175-2.50 eV 黄色 570-590 nm 2.10-2.175 eV 橙色 590-620 nm 1.99-2.10 eV 赤 620-750 nm 1.65-1.99 eV wikipedia可視光線より引用
人間の目には緑が一番明るく映る
人間の目は、555nmの緑色が一番、人間にとって明るく見えます。
これを比視感度といいます。
一番明るく見える緑色を1としたときに、ほかの色がどのくらい見えにくいかという比視感度という係数を入れて、実際に人間の目で見えている明るさにできるだけ近い値が計算されているのが光束になります。そして、その単位がルーメンになります。
いままでは色味のバランスを調整するのが簡単ではなかったため、電力を表すワット(W)が単位になっていましたが、LEDが登場してから色味を意図的に調整できるようなりました。そのため新しい明るさの単位「ルーメン(lm)」が登場しました。
緑のような人間の目で明るく見える色を優先的に入れることによって、省パワーで明るい照明が実現しました。
一般的な照明の色
これまで一般家庭で使われていた白熱電球は、昼白色や昼光色などの白っぽい色が標準色として使われてきました。
赤や青などほかの色では代用できないのが現状です。
そのため、LEDにおいても同じ色味を作り出す必要がありました。
屋内照明として広く利用されている蛍光灯は主に「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」に分類されており、順に約3000 K、3500 K、4200 K、5000 K、6500 Kである。これらは、それぞれ 333 MK−1、286 MK−1、238 MK−1、200 MK−1、154 MK−1 となり、全て差が 40–50 MK−1 前後になり、色の変化が一定に感じられる。色温度が高い側の間隔が広く、その中間の色温度の蛍光灯があまりないのはこのためである。前記のうち、現在は「電球色」「昼白色」「昼光色」が一般に販売されており、LED照明もこれに準じている。
wikipedia色温度から引用
LEDでも標準色が作れるようになった
みなさんご存知のノーベル賞を受賞した青色LEDは、現在広く普及されました。一般的に販売されているLED照明から発光される光源は青色になります。
LEDから発光される色が青色である場合、緑付近の色を足すことによって白熱電球と同じ色が実現されます。
実際には、安いものは青+黄色が多く、値段が高くなるにつれて色が増えていき、青+赤+緑が使われています。
なぜ青色LEDが必要なのか?
1962年には赤色LEDは発明されていました。
その後、1972年には黄緑色のLEDが発明されていました。
しかし、どうしても青色LEDを発明する必要があったのです。
その理由は、赤色や黄緑色のLEDでは、一般照明に使われている昼白色を作り出すことができないためです。
LEDの色味が調整できるようになったのは、ノーベル賞を受賞した青色LEDが誕生したおかげなのです。
青色LEDにしか作れない理由
昼白色は青色LEDにしか作ることができません。
その理由は、下記の3つです。青色の波長が短いことに関係しています。
- 波長は短いほど、エネルギーが高い。
- エネルギーは、高いほうから、低いほうに変換できる。
- 低いほうから高いほうには変換できない。(足りないエネルギーを補う方法がないから。すなわち、熱から光に変換することができない。)
高いほうから低いほうに変換した場合、エネルギーがあまります。その余ったエネルギーが熱に変換されます。
LEDが発熱するのは、この余ったエネルギーが原因となります。
それでも、白熱電球に比べると、発熱が小さいのもLEDの特長です。
LEDのデメリット
そんな優秀なLEDにもデメリットがあります。総合的には価値があるため、広く普及されましたが、注意する箇所があることを認識する必要があります。
色味が悪くなる
それは、LEDによって照らされた物の色味を変えてしまうことです。
例えば、スーパーで美味しそうに見えていた生の牛肉が家に帰ってから、LED照明で照らされると、くすみがでて、傷んでいるように見えてしまうことがあります。
その理由とは?
これは、LEDの光を効率良く白く変換することによって、使われている色が少ないことが主な原因になります。
生の牛肉の色が見えるのは、照明に含まれている色がはね返っているからなので、もともと照明に使われている色が少ないと、色味が悪く見えてしまうことがあります。
色味を表す指標
LEDには、この現象を表す指標がすでに決められていて、パッケージに記載されています。
Raというのがこれを表す演色性という指標になります。
これは太陽の光を基準(100)として、100~0の値が使われています。
太陽の光は、すべての色がバランスよく含まれているので、基準になっているということです。
場所によって要求される演色性がことなるので、適正なLEDを使うことが重要になります。
家庭においても、先ほど例にあげた、生の牛肉の色味が悪くなると、本当に傷んでいるのかどうかわからなくなるので、特に食事をするキッチンや食卓ではそれなりに演色性が高いLEDが望ましくなります。
寿命が長いので、LEDは寿命までに色味が変化していくこともあるので、注意していく必要があると思います。
LEDが省エネの理由とは?ルーメンとは?青色LEDが誕生した理由のまとめ
LEDが省エネの理由がわかったと思います。
LEDは省エネなので、家庭の照明もできるだけ早く交換したほうが良いですね。
寿命が長いので、交換するときは慎重に適切なLEDを選択する必要があります。
この記事の内容が理解できれば、適切なLEDを選ぶための知識が身についていると思いますので、さっそく生かしてほしいと思います。
交換前に確認することはこちら↓